「有る」と「在る」の違い知ってる?

日本語には同音異義語が数多く存在しますが、表記が異なる中でも使い分けが難しい言葉がいくつかあります。
「有る」と「在る」はその代表例です。
両者とも「アル」と発音しますが、「有る」は「持っている」「備わっている」「存在する」といった意味合いを持ちます。
一方の「在る」は、存在する場所や状態を指す言葉です。
具体例を見てみましょう。「子供が有る」「実力が有る」など、何かを持っている場合は「有る」を使います。
また「間違いが有る」など、存在そのものを示す際にも「有る」が適切です。
一方で「東京の真ん中に在る」のように、存在する場所を特定する場合には「在る」を使うべきです。
さらに「責任は彼に在る」など、抽象的な存在の所在を示すのにも「在る」が使われます。
しかし実際には、こうした違いを完全に理解し使い分けることは難しいケースも多く、ほとんどの場合は「ある」とひらがな書きされています。
単に存在を言い表す際は「有る」と判断できますが、場所や状態を伴う場合は「在る」なのか「有る」なのか迷いが生じがちです。
そんな時は「ある」と総称することで、誤用を防げます。
このように同音異義語には含蓄があり、適切な使い分けが難しいこともあります。
一方でそのさじ加減の難しさが、日本語の言語としての豊かさを物語っているとも言えるでしょう。